
このコーナーに登場する作品はあくまでも私が独断と偏見で選出しました! 「なんであの名盤がないんじゃ!」とか「なんでこんなアルバムが載っておるんや!」などの御意見が多々あることと思いますが、あまり語られていない裏アコギ名盤になるべくスポットを当てていこうと考えておりますので(ロバジョンやクラプトンばかりじゃ詰まらんでしょ!)、「へぇ〜、こんな作品もあるのか」程度に気軽に御覧になって頂けたら幸いでございます! また、今後も不定期に作品を追加していく予定です! 御意見、御希望等ございましたらこちらまで 。
Aqualung / Jethro Tull
ブリティッシュ・ロック界の重鎮、ジェスロ・タルが'71年にリリースした歴史的名盤。ブリティッシュ・ブルーズ・ムーヴメント真っただ中の'68年にデビューを果たした彼らの音楽性はまったくもってユニーク。リーダー、イアン・アンダーソンの超人的な作曲能力をベースに、ロック、クラシック、トラディショナル・フォーク、ブルーズ、ジャズ・・・音楽のあらゆる要素を融合させた個性的すぎるそのサウンドは、かなりの影響力をもって未だワールドワイドな人気を得ている。 これまでオリジナル・アルバム21枚をリリースしているが、アコギの魅力を強烈に発散しているのがこの「アクアラング」だ。'60年代のMartin O-16NYから奏でられる枯れつつも繊細な音色は抜群! イアンの叙情的な楽曲との相乗効果には総毛立つ感動すら覚える。
Gipsy Kings / Gipsy Kings
伝統的なスパニッシュ・ミュージックと、親しみやすいポップス的感覚を巧みにミックスした音楽性で、現在では世界各国で圧倒的な支持を受けているジプシー・キングス。時代劇『鬼平犯科帳』のエンディング・テーマ“インスピレーション”と、CMで使用され話題になった“ジョビジョバ”を収録するこのデビュー・アルバム('88年リリース)から聴こえてくる温かくも激しいフラメンコ・ギターの音色は、人間の持つ情熱的な側面を大いに掻き立てる。ガットの魅力を堪能できる一枚。
Voyage / Christy Moore
U2のボノに「アメリカにとってのウディ・ガスリーが、アイルランドにとってのクリスティ・ムーアだ」と言われるほどの大御所アイリッシュ・フォーク・シンガーが、'89年に発表したソロとしては8作目にあたるアルバム。旧友ドーナル・ラニーのプロデュースの下に製作された本作は、それまでのオーガニックでトラディショナルな作風とはやや異なり、アレンジ面に拘わりを見せた作品。とはいえ不変なのが包容力のある歌声とアコギの音色。TakamineのDrednoughtから紡ぎ出される繊細かつ逞しいサウンドは、アイルランドのあらゆる情景を絶妙に醸すに充分なエモーションに溢れている。
Firecracker / Lisa Loeb
テキサス出身の女性シンガー・ソングライター、リサ・ローブが'97年にリリースした2ndアルバム。映画『リアリティ・バイツ』のサントラに提供した全米ナンバー・ワン・ヒット曲“ステイ”で華々しくデビューを飾り、アメリカを始めここ日本の若いロック・ファンの心を掴んだリサであるが、その音楽性は実に深い。キュートなルックス(トレードマークは眼鏡)とは裏腹に、「ジギー・スターダスト」時代のデイヴィッド・ボウイ、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン、ポリス、エルヴィス・コステロ、リッキー・リー・ジョーンズ、プリンス、サラ・マクラクランといったアーティスト&バンドから影響を受けた彼女の楽曲の数々には、ロックの持つ荒々しさ、カントリー/フォークを思わせる牧歌的なムード、そして親しみやすいポップスの要素が見事に融合されている。デビュー作ではGibsonを多用していたが本作ではMartinやTaylorを使用。'50年代と思われるMartin OOO-18の繊細かつ枯れた音色を随所に発揮した本作はアコギ・ファン必聴!
The Secret Language Of Birds / Ian Anderson
前出ジェスロ・タルの中心人物、イアン・アンダーソンが'00年にリリースしたソロ3作目。2ndソロ「ディヴィニティーズ」しかり、'99年に発表されたタルの21作目「j-tull dot com」しかり、近年、オリエンタルなムード漂う音楽性を前面に湛えてきたイアンだが、ここにきて原点回帰というべき自らのルーツを剥き出しにしたトラディショナル・フォーク・アルバムである本作を制作。全体をとおして強く印象に残るのが、やはりフルートの高尚な響きではあるが、サウンドの核を成しているマンドリンとアコギの軽やかな音色は、牧歌的な雰囲気を大いに盛りたてるに絶大な効果を発揮している。2、3年前よりイアンはスモール・ボディ・タイプを多く製作し、注目を集めているAndrew Manson GuitarやBrook Guitarを使用。