

| 第一話 | A/Bボックス・ループセレクター・パラボックス編 |
| 第二話 | 歪みもの編 |
| 第三話 | 歪みもの Part 2 アンプ編 |
| 第四話 | クールな逸品をご紹介編 |
| 第五話 | アナログディレイ特集 |
| 第六話 | 最近の独り言.. |
| 第七話 | ループ・ボックス編再び!編 |
| 第八話 | ちょこっとコアなペダル・エフェクター特集編 |
| 第九話 | エレハモ BIG MUFF π 特集編 |
| 第十話 | おがちゃんの"魔法の小箱"編 |
| 第十一話 | "Ibanez TS-808" vs "BOSS OD-1" 編 |
昨今のブティック・エフェクターやモディファイ・モデルの隆盛には驚かされます。皆さん、ご存じのように、毎年、毎月、まさに星の数ほどと言ったら大げさでしょうか?
世界中から数多くのニュー・モデルがリリースされています。特にオーバードライブ系のペダルにおいては著しいものがあり、ハンドメイド系の走りとも言えるKLON CENTAURやFulltone FULL-DRIVEに始まり、モディファイ物の流行を呼んだKeeleyやANALOG.MAN、マニアックなラインナップを誇るLovepedal、3モード系ODという新たな定番を確立したLANDGRAFF DYNAMIC OVERDRIVE、そしてFUJIYAMA DRIVE他、多くのヒットモデルを送り出した国産の雄HSW、、、、挙げていけば全くもってキリがありません/(^_^)。
日伸音波製作所(Maxon)により、'79年から'81年頃まで生産された海外向けモデルです。国内向けには"Maxon OD-808 OVERDRIVE"としてリリースされました。当初より通称"キャラメル・スイッチ"と呼ばれる"Q-1"FETスイッチが装備されています。
初期の欧州向けナロー・ケース仕様は、ポピュラーな後期ワイド・ケース仕様と異なった回路を持ち、OD-801(D&S)の基板に初期のデュアル・オペアンプであるモトローラのMC1458P(OD-808ではテキサス・インストゥルメンツのUA 1458Cも確認)が2基搭載されています。また、DCジャックはINPUTジャックの横に装備されています。後期ワイド・ケース(TL4558P)仕様と比べたところ、意外ですがサウンドはとても似ています。MC1458P搭載品は若干ハイが控えめで、マイルドでしっとりとしたサウンド。対してTL4558P搭載品は乾いた感じのサウンドです。
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| ナロー・ケース仕様のTS−808とOD-808 |
欧州向け仕様と違いフラットなケース。内部回路は基本的に共通で、基板にはプラスティック製のカバーが装着されている。
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後期ワイド・ケース仕様は、100000番から始まるシリアル・ナンバーを持ち、日本無線のJRC4558D、テキサス・インストゥルメンツのRC4558P(マレーシア製)、一部にその改良型であるテキサス・インストゥルメンツのTL4558Pが搭載されています。RC4558P(通称マレーシアン・チップ)搭載品は、レンジが広く、エッジが効いていて輪郭がくっきり、ローが強くハイも伸びています。コンプ感は強めで、時に和音を弾いたときに若干の音の暴れを感じます。ダイナミックで一番へヴィーなサウンドです。JRC4558D搭載品は、ミッドにレンジが集約していて、マイルドで艶があります。スムーズで上品なサウンドですね。TL4558P搭載品は、JRCに近いのですが幾分ローがタイトな印象でした。
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| 国内仕様のMaxon OD-808 | |
初期の外観的な特徴として、"Ibanez"ロゴの右上に(R)マーク(登録商標マーク)が入り、"TS-808"と型番にハイフンが入り、DCジャック部に固定ナットが付いている。茶色の紙製絶縁シートの採用、コントロール・ノブ周りに目盛りがない等あります。
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DCジャック部の固定ナット廃止、黒色のプラスティック製絶縁シートの採用。
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"Ibanez"ロゴの右上に(R)マーク(登録商標マーク)がなくなり、コントロール・ノブ周りに目盛りが付けられています。
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下記は、今までにTHE中古楽器屋が取り扱ったTS-808の個体データを表にまとめました。
※印の個体は仕様がイレギュラーなのでシャーシ(S/N)交換の可能性あり。
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商品に添付されていた冊子、"BOSSエフェクター事典VOL.1"より
初期OD-1の回路にはクワッド・オペアンプが搭載されました。極初期、ロットNo.6400あたり〜8400或いは8500に搭載されたレイセオンのRC3403ADBとNo.8600〜8800に搭載されたNECμPC4741Cです。また、一部にテキサス・インストゥルメンツのUA3403PCも見られます。LEDインジケータはバッテリー・チェッカー専用でした。No.8900あたりからデュアル・オペアンプに仕様変更され、同時にLEDインジケータがON/OFF表示されるようになります。No.260000~270000あたりまではNEC C4558CかJRC4558D、以降JRC4558DDが搭載されましたが、一部テキサス・インストゥルメンツのTL4558P等も見られます。'80年代初頭、No.0400〜0500あたりで銀ネジから黒ネジに変更されます。その後、主なところではOD-1の文字位置やロゴ自体の太さ、ポット&コントロール・ノブの形状などが変更されています。
クワッドOP搭載品でも、RC3403ADBとμPC4741Cでは同じモデルと思えないほどサウンドが違います。RC3403ADB搭載品は、ローがタイトで、ハイが充分出ていて、ブライトなサウンドです。ハムバッカー・ピックアップ向きだと思います。μPC4741C搭載品は、RC3403ADB搭載品に比べ、ロー・ミッドが豊かで、ハイは控えめで、ファットなサウンド。どちらかというと、シングルコイル・ピックアップ向きだと思います。デュアルOPのNEC C4558C搭載品は、明らかにμPC4741Cの流れを汲んだサウンドです。μPC4741Cよりさらにローが強く、ヘヴィーなサウンドです。
| ・ | クワッド・オペアンプとは、4個のOPアンプをひとつのパッケージ内に内蔵したオペアンプです。 |
| ・ | デュアル・オペアンプとは、2個のOPアンプをひとつのパッケージ内に内蔵したオペアンプです。 |
FETスイッチが透明で外バネ式、基板には大型のクワッド・オペアンプを搭載。紙製の絶縁シート、銀ネジ(コイン・スクリュー)を採用。
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過渡期なのかFETスイッチが色と形状が特殊です。#8000とは電池スナップの引き出し位置も違います。品質の安定性に難のあったレイセオンに代わり、NECのクワッドOPに変更。
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FETスイッチが現行品と同様なものに変更。基板には小型のデュアル・オペアンプを搭載。絶縁シートはプラスティック製に。
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ロットNo.はラベルでなくスタンプで入れられ、底のラベルには「Roland JAPAN」と入る。黒のサム・スクリュー採用。本機の回路基板は、MADE IN TAIWAN。
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「OD-1」の文字位置が変わり、コントロール・ノブとポットも現行と同じタイプに。ロットNo.ラベルがバッテリー・キャビティ底部に貼られている。海外に輸出された個体で、付属の英文マニュアルに記載されたデイトは「May. '88」。
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下記は、今までにTHE中古楽器屋が取り扱ったOD-1の個体データを表にまとめました。
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最後に2つの名機を試奏比較してみました。どちらも中域にレンジを持ったオーバードライブですが、やはり独特の特性がありますね。まず、OD-1は高域が比較的出ていて、バリッとしたエッジ感を持ったドライな音。そして、TS-808はTONEコントロールを目一杯上げてもOD-1ほど高域は出ず、マイルドでウェットな質感。個人的には、OD-1はハムバッカー・ピックアップ向き、TS−808はシングルコイル・ピックアップ向きの印象を持ちました。ただし、それぞれ搭載オペアンプが変われば、印象も変わってくるはずです。OD−1はJCジャズ・コーラス(ギターアンプ)に使用しても、生々しいホットなドライブ・サウンドが出ます。さすがBOSS/Roland(^^)v。もちろん、チューブアンプに使用するとその魅力は倍増で、ゲインアップと共にサウンドがいい感じに引き締まります。適度な粗さがあり、エッジ感を失うことがありません。TS-808は、フェンダーのツインとかとストラトやテレキャスの組み合わせはもはや無敵!! 音が滲んで膨らんで、ミッドの太さと高域に倍音が乗ってきて、心地よさに加えて、何とも言えないあま〜い色気が加味されます♪ 前述したオペアンプ等の違いによるサウンドの差異もありますし、突き詰めれば、かなり奥深くマニアックな世界があるのです。
今回ピックアップした2機種は、まさに王道でした。 '60年代から '70年代の外国製ファズ・ペダルが世界を席巻したように、 '70年代後半に日本で生まれたオーバードライブ・ペダルが、世界中で愛され、今なお最新の音楽シーンで生き続けていることを、日本人として誇らしく思うと同時に開発者に敬意を表したいと思います。当店のお客様には、OD-1やTS-808を昔(当時)使っていて、何かのきっかけで新しいペダルを追い続けることとなり、幾度もの試行錯誤や悩みを経験して、またある時、何気なく繋いでみたOD-1やTS-808の素晴らしさに気付いて、再び愛用される方が非常に多いように感じます。ギターやアンプもそうですけど、エフェクト・ペダルなんてただの道具なのに、いい音出た時は心底感動して、ペダルが愛おしく思えたりするから不思議です。えっ、私だけでしょうか?いえいえギタリストなら、きっとありますよね!! 機械でも何かが宿っているのかも知れませんよ。
THE中古楽器屋 小河内(オガワウチ)
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