第五回:ピックアップあれこれ
今年の夏は異例な程の猛暑になるそうです。ナントカ現象の影響らしいですが、暑さが大の苦手な私には我が耳を疑う最悪なNEWSでした。しかも先日越した新居は日当たり絶好調の最上階!数年前の猛暑でベースとギターのネックが反ってしまった経験のある私としては真夏の楽器のコンディションが早くも心配です。
ずっとエアコン点けとく訳にもいかんしっ。
さて第5回目の今回はピックアップについて触れてみたいと思います。
ホースシュー・ピックアップ
1930年代初め世界初とも言えるエレクトリック・ギター”フライング・パン”(第一回目参照)これに搭載されていたのがホースシュー・ピックアップです。U字型に曲げられたプレートが馬の蹄鉄に似ている事からそう名付けられました。
まず構造を簡単に説明しますと、一見ピックアップカバーに見えるプレート状の物は実はマグネットで、磁界の中を通った鉄製の弦が振動することにより磁束の流れが変わり、振動となりそれがホールピースに伝わってコイルに電流が流れるのです。又更にコイル自体を上下から磁石で覆ってしまう事により、ピックアップの上下からのノイズがカットされ、更にコイルにはリード線が外周に巻き付けられているために側面からのノイズもカットしてくれるというスグレ物なのです。そして、ピックアップ内に通っている弦に対しマグネットの磁場が上下に発生している為、弦自体は磁場の影響を受けにくい。つまり弦振動のロスが少なくて済む為にサスティンの増加に影響しているのです。又、ポールピースは円柱状のスティールで6弦から1弦にかけてだんだんと高くなっていくようになっています。これは各弦のバランスと取る為では無く、6弦から1弦に向かって音色をソフトな音からシャープな音に変化させる役割があるようです。これはのちにFENDERがピックアップ本体を弦に対して斜めにマウントする事により同様の効果を得たようです。
しかしピッキングに邪魔であるということから1968年にハイゲイン・ピックアップに移行するようになります。1984年に復刻モデルとして登場しますが、ホースシュー型のプレートは単なるピックアップ・カバーになってしまいました(ポールピースがマグネットになる)。また、現在となってはこの様なU字型のマグネットがピックアップに使われることはほぼ無くなりました。それは当時よりももっと強力なマグネットが作られるようになったからです。
トースター・トップ・ピックアップ
見た目がトースターの口に似ていることからこう呼ばれるようになりました。
中には6本のポールピースがあり、ベースにもギター用のピックアップを流用して使われています。抜けの良いクリアーなサウンドが特徴的です。後のハイゲイン・ピックアップに比べてややサスティンは抑えめな感じです。一番ルックス的には好みです。
トースター・トップ・ピックアップ
トースタートップと比較して対照的ともいえるピックアップです。トースタートップ・ピックアップのポールピースがマグネットであるのに対して、ハイゲイン・ピックアップのポールピースには磁力が無くボビンの下にマグネットが付いており、ホースシュー・ピックアップよりも太めの音色が特徴的です。68年ホースシュー・ピックアップの後継としてベースのリア用として開発されそのサスティンの良さから良く69年にギター用のピックアップとして取り入れられます。
ハムバッカー・ピックアップ
90年代に開発されたピックアップ。ハムバッキング構造の為ノイズが少なく、ポールピースの振動から来るサウンドの劣化を解消するために、内部は樹脂で固められている。
いかがでしかか?リッケンバッカー研究室第五回目。次回もお楽しみに
THE中古楽器屋 タカノ