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  • アコースティック・フロア特別研究 アコースティック用ピックアップ 序章

アコースティック・フロア特別研究 アコースティック用ピックアップ 序章

 
アコースティック・フロア特別研究
アコースティック用ピックアップ
序章 アコースティック・フロア店長 田部 企画室 富田
序章 ピックアップの種類
第一章 メーカー別製品リスト
第二章 現場の声
インブリッジ・ピエゾ・タイプ 貼り付けピエゾ・タイプ マグネティック・タイプ

ある日のアコースティック・フロアでのこと。

ぷるるるるぅ〜(電話の音)

アコースティック・フロア
担当:田部(以下T)
「お電話ありがとうございます!! THE中古楽器屋アコースティック・フロアでございます!!」
お客様(以下O) 「お忙しいところ恐れ入りますが、少々お伺いしたいことがあるのですが…」

T 「はい!! どういったご用件でしょうか?」
O 「アコギのピックアップのことなんですが、今はFishmanのRare Earth Blendを付けているんですが、どうも音に満足が出来なくて…」
T 「なるほど。ギターのブランドはどちらですか?」
O 「Martin D-28です」
T 「何年製ですか?」
O 「'74年製です」
T 「どのようにお気に召さないのでしょうか?」
O 「ん〜何と言ったらいいんでしょう、エアー感があって音色自体は気に入っているんですが、バンドとかになると中音ばかりが目立っている感じで、ハウリングも多いんですよね」
T TEL「言うまでもなくMartinもFishmanも優れたブランドですが、Rare Earth Blendはマグネティックにコンデンサ・マイクを追加したタイプですので、そのコンデンサ・マイクがギターの生鳴りを拾いすぎてしまっているのかも知れないですね。'70年代のMartinですと、かなり箱鳴りしていると思いますので。バンドの時はハウリングの少ないマグネティック・タイプの方がベストですが、音色に好みが分かれますね」
O 「ピエゾ・タイプはどうなんでしょうか?」
T 「ハウリングは少ない方ではありませんが、音色は良いかも知れませんね」
O 「なるほど…店員さん的にお勧めのピックアップはありますか?」
T 「Fishman以外ですと…L.R.BaggsやB-Band辺りがお勧めでしょうか」
O 「それぞれどういったところがお勧めですか?」
T 「L.R.Baggsに関しては、山崎まさよしさんやスガシカオさんも愛用しているリボン・トランスデューサーというインブリッジ・ピエゾがお勧めですね。アタック感が少なく、よりアコースティックな音色が人気です。スタジオ・ミュージシャン系に人気のB-Bandは、0.4mmという薄さのピエゾなので、生音への影響が少ないのが魅力になっているみたいですね」
O 「僕のMartinもそういったピックアップに替えたら、完璧になるでしょうか…? プリアンプも色々試してみたんですが、今ひとつで…」
T 「ハウリングや音質はアコギ用プリアンプで、ある程度、調整出来ますが、限界はあると思うんですよね。ですので、やっぱりピックアップ自体を交換された方が良いのかも知れませんね。ただ、ピックアップはやはりギターとの相性なんかもありますから、 その辺が難しいところではありますが…」
O 「そうなんですよね。付けてみないと分からないっていうところがありますよね…お忙しいところ、ご丁寧にありがとうございました。参考にさせて頂きます」
T 「いえいえ、とんでもございません! こちらこそありがとうございました。又の御連絡お待ちしております!! 失礼いたします」

ピッ(電話を切る音)

 ん〜、お客様のご質問にお答え出来たように見えて、完璧にはお答え出来ていないことに気付く私。ギター本体に関するご質問は無論、完璧にお答え出来ると自負していますが、アコギの後付けピックアップとなると、少々勝手が違います。いくら最高のギターとピックアップを持ってきても相性が悪ければ話になりませんし、ピックアップを付けたことによって生音が殺されてしまっては本末転倒です。さらには、プリアンプやアンプなどとの因果関係もあるので、一概に「これが正解!」と申し上げられないのが、自分としては非常にもどかしい限り。
 そこで、上記のようなお問い合わせが絶えない昨今、お客様のお悩みを解消すべく、そして自身への不満も解消すべく、「アコースティック用ピックアップ」を色々な角度から研究・検証してみようと思い立ちました。単なるピックアップの紹介や特性だけに止まらず、プリアンプやアンプ、はたまた材の振動に至るまで、長いスパンで言及出来たらと考えていますので、お付き合い頂けたら幸いです。

 さて、序章となる今回は、基本となるアコースティック用ピックアップの種別「インブリッジ・ピエゾ・タイプ」「貼り付けピエゾ・タイプ」「マグネティック・タイプ」を纏めてみました。その他に「コンデンサ・マイク・タイプ」もありますが、このタイプはピエゾやマグネティックにブレンドする場合が多いので、ピックアップの種類や音色の違いなどを言及したいと考えている次回にて詳しくご説明したいと思います。

インブリッジ・ピエゾ・タイプ

インブリッジ・ピエゾ・タイプ  ブリッジ下にピエゾ・ピックアップを内蔵したタイプ。ピエゾ(Piezoelectric Element)とは圧力や振動を電圧に変えることができる圧電素子で、これによりブリッジが受けた弦振動を電気信号として出力することが出来ます。これは電荷を帯びた結晶(セラミックなど)に圧力をかけることにより、それまで不規則に混在していた電荷のプラス・マイナスの流れを整合させ、電気信号を生じさせるという仕組みを応用したものです。こうした素子をブリッジ下に内蔵することにより、ブリッジの振動をよりダイレクトに出力させることが可能で、Ovationを初めとするほとんどのエレアコでこのタイプのピックアップが使用されています。
 特徴としてはブリッジ下でダイレクトに音を拾うためシャープでアタックの明確なサウンドとなります。また、ボディの共振などの影響を受けにくいためハウリングにも強く、大きな音量のアンサンブルでも干渉を受けにくいというメリットもあります。しかし、逆に音自体のキャラクターが強いため、いわゆる「ピエゾくささ」があるのも事実で、アコースティックならではの豊かな胴鳴り感などをそのまま再現するには限界がありそうです。「ナチュラルなアコースティック・トーン」ではなくとも、「良いエレアコの音」を求めるのであれば最も使い勝手の良いタイプと言えるでしょう。インブリッジ・ピエゾ・タイプ
 最近ではソリッド・タイプのエレキ・ギターのクリーン用として搭載されているモデルもよく目にすることがあります。また、弦ごとに独立した6つのピエゾを内蔵することで、各弦の音を独立して出力させることも出来、ギター・シンセのドライヴァーなどとしても使用されています。

貼り付けピエゾ・タイプ

貼り付けピエゾ・タイプ その名の通り、ピエゾ・ピックアップを主にトップ裏面に両面テープなどで貼り付けて使用するタイプです。ピエゾの基本原理はインブリッジ・タイプと同じですが、取り付け位置がトップ材背面へと移ることにより、トップ面全体の鳴りを反映させることが出来、より自然な鳴りを反映させることが可能です。また、インブリッジ・タイプの多くがブリッジ下からトップ材を貫通して内部に配線されているのに対し、貼付タイプではアコースティック・ギターそのものの音響特性を崩さない形で装着できるため、後付け用のピックアップとしては最も人気のあるスタイルであると言えるでしょう。
 また、インブリッジ式が弦の鳴りとして最もシャープなブリッジ・ポジションの音であるのに対して、貼付式では様々な場所への取り付けが可能であるため、ギター個々の鳴りのポイントに応じた取り付けが可能です。無論、取り付け場所に関しては、ある種のシビアさが求められますが、幾多のメーカーが如何にして自然な鳴りを再現するか研究を繰り返し、最近ではトップ面のみならずブレイシングの鳴りまでも反映させることを可能にしたモデルも開発されています。L.R.Baggsのi-Beamなどはこのスタイルで最も人気のあるモデルと言えるでしょう。貼り付けピエゾ・タイプ
 さらに、これはインブリッジ式にも言えることですが、ピエゾ・タイプのピックアップは出力する信号量が極めて小さいため、アンプに接続して音を出すためにはプリアンプが必要になります。外付け式のプリアンプも各種販売されていますが、楽器の音響特性を破壊せずに内蔵させるために、エンドピン・ジャックとプリアンプが一体化したモデルが主流になっています。

マグネティック・タイプ

マグネティック・タイプ 通常のソリッド・タイプ・エレクトリック・ギターのピックアップと同じ原理による、トラッドなスタイルのピックアップです。ピックアップのマグネットが弦振動を直接キャッチして出力するスタイルで、主にサウンドホールに取り付けて使用するモデルが主流になっています。
 一見、弦振動しか反映されないのであればエレキ・ギターと同じではないか?という不安もあるかも知れませんが、弦振動とは共鳴するものがあって初めて音になっているわけであり、弦振動だけでもマテリアルの共鳴感はあるレベルにおいて反映されます。例えば、弦だけ両手で引っ張ってそれを弾いても楽器の音がしないことからみても、弦が鳴ること自体がボディの音を反映していることは確かです。故に、弦振動を出力するだけでも相応に楽器の音は反映することは不可能ではありません。無論、それでどこまで胴鳴りやハーモニクスまで再現できるかは別問題で、当然ながらアコースティック・ギターらしいサウンドではありますが、ナチュラルなアコースティック・トーンそのものとはまた別物と考えた方が良いでしょう。
 マグネティック・タイプの音の傾向としては、やはり弦振動自体がメインとなってくるため、アタックが目立ちやすくパーカッシヴなサウンドになる傾向が強いようです。また、エレクトリック・ギター的なエッジ感も強調されるようです。最近では各種メーカーがこのような特徴を踏まえた上で、よりナチュラルなトーンに仕上がるように開発を続けており、多くの有名アーティストが使用するSunriseやFishmanといったメーカーに人気が集中しているようです。マグネティック・タイプ
 マグネティック・タイプのメリットとしては、まず取り付けが簡単でギター本体の加工をほぼ必要としないこと、通常のエレキ・ギターと同じ出力レベルを持っているため、プリアンプなど無しでそのままアンプに接続して使用出来ることなどがあります。また、ハウリングにも強いため、日頃アコギを弾いているけど、ロック・バンドの中でもそのまま使いたいというようなヴォーカル・ギター・タイプのプレイヤーの方などには特にお勧めです。

 次回ではピックアップの種類や音色の違いなどに関して詳しく言及したいと思います。
また、ご意見・ご要望などがございましたら、ご遠慮なくお申し付け下さい。それでは次回もお楽しみに!!
THE中古楽器屋 アコースティック・弦楽器 売場
店長:田部
TEL:03-5386-4565
E-mail: aco@tcgakki.com

 



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