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『My Cool Guitar』"Gibson ’52 Les Paul Conversion"

『My Cool Guitar』 Part-1 Gibson 1952 Les Paul Standard Conversion w/PAF Zebra

ギターをプレイする者なら誰もが忘れられないギターや思い入れのあるギターはある。このギターの製作者もそんな思い入れから暴挙とも言える行動に走った一人だ。
スタッフの静止を押し切り「俺のわがまま」を追求したこのギター。手にされる方はそんな思いも一緒に引き受けてくれる度量の広い方を希望したい。


少年は留学でナッシュビルの郊外にホームステイで来ていた。覚えたての英語は拙く、知り合いもいない。ホームステイ先のスミス夫妻は非常に優しく、いつも学校帰りにはアメリカンサイズのピザとコークを用意してくれた。

優しさは有り難かったが、心にかかえる虚無感は拭えないまま時は過ぎていた。そんなある日、いつもの帰路とは別に少し足を伸ばして比較的、賑わいのあるダウンタウンに行ってみた。

ホストの夫妻からは危険だから近寄るなと言われていたが郊外とは異なり、道中を歩く人が多くテレビで見るような外人ばかりで英語が飛び交う風景に少し身をこわばらせて、街に溶け込もうとしていた。



ふと目についた楽器屋からギターの音が漏れていた。親の影響で少しギターが弾けた少年は、勇気を振り絞ってドアを押したが、鍵がかかっているようだった。困惑した自分の顔を中にいた髭面のお兄さんに見られたと思った瞬間「ジー」という電子音が鳴りドアが開いた。

今思えばセキュリティーロックを掛ける必要のある場所であり、高額品が置いてあるということだ。

引き込まれる様に楽器屋の中へ入ると、”ギブソン ” “フェンダー” “グレッチ” “リッケンバッカー”など煌びやかに輝くギターが二階をぶち抜いたような高い天井の上まで展示されていた。
独特な匂いと木材の香りが五感を刺激するような、まるで別世界に迷い込んだ高揚感を覚えた。店の奥で仏頂面の店主らしきお兄さんが訝しげにこっちを見ている。



少し抵抗感がありながらも奥に歩をすすめた時、煌びやかなギター達のなか、「何だこれ!」と心を揺さぶるギターを目にした。それは黒色のギブソン レスポール スタンダードだった。少年の目は釘付けになり、鈍く黒光りしたボディとエッジに向かって緩やかに波を打つトップのカーブ、ブラックの中心でひと際目立つゼブラのピックアップ、そのカッコよさと美しさそして存在感、その瞬間、大好きなBOSTONの曲が頭の中を勝手に流れていた。



少年は何気なく手を伸ばしたその時「おい、勝手に触るな!!どうせ金持ってないんだろ」拙い語学力でも解る程の勢いで怒鳴られしまった。大急ぎで店を出たが帰りの事はほとんど覚えていない、ただその日から暫くは眠りに着くと、あのブラックのレスポールを抱えてステージで歓声を浴びている自分が嬉しそうにしている夢を見ていた。

少年はまた怒られるのは怖かったが、その楽器屋に毎日通ってギターを観に行っては心拍数を上げていた。触る事は許されなかったが見ているだけでも幸せだった。そんなある日、店主が近づき「一回だけだぞ」と思いがけない言葉を貰い、初めてそのレスポールを触らせてもらった。

ずっしりとしたボディにネックの太さが自分の左手に馴染んでいるようだった。古いマーシャルにプラグインされたそのギターからは想像していた以上に美しく抜けるサウンドを、それ程上手く無い自分の演奏でも感じられた。

どの位の時間がたったのだろうか「今度は金が出来たら来いよ」と店主に促され店を後にした。結局あのギターがいくらだったのかも聞かずに少年はホームステイを終えて日本に戻った。



それから数十年後、少年はギターショップのオーナーになっていた。店を経営する中であたりまえだが黒のレスポールは山の様に見てきた彼だったが、何故か当時の様な高揚感を得る事はなかった。

そんなある日、1952年製のレスポール・ゴールドトップが入荷した。いつもの様にチェックで音出しをしようとギターのネックを握った瞬間、ナッシュビルの楽器店で触ったブラックのレスポールが突然頭をよぎった「ん、なんだこの感覚は」。

その後、状態を確認するべくアンプに繋ぎ音を出すとあの時とは全く違うピックアップが搭載されているにもかかわらず、その美しいサウンドは少年時代に弾いたあのレスポールの記憶が蘇るような音だった。

1952年のゴールドトップといえばギブソンを代表するヴィンテージギターだ、ノンシリアルのゴールドトップの価値は誰より分かっている。

そんなある日、同じ時期にホームステイをしていた友達と飲む機会があった。当時の事を振り返り苦労話を酒のつまみにかなりの時間飲んだだろうか、友達がボソッと「俺たちもいずれ死ぬんだよな、後悔しない生き方したいよな」とビールグラスの水滴を親指で拭きながらつぶやいた。

そうだ後悔はしたくない、今楽器屋を経営しているのもナッシュビルでのホームステイで楽器屋に入り浸っていたからだ。自分がはじめて感動を覚えたギターを今でも引きずって鮮明に覚えているのも俺の生き方の一つなんだ。

翌日、店のオープン前にスタッフに告げた内容にさすがの店長も異議を唱えた。
「社長わかっているんですか、ノンシリアルの最初機のレスポールですよ、そのままでも十分売れるのになんで」
他のスタッフも声をそろえて「無理です、諦めて下さい!」



彼はスタッフから飛び交う怒号に耳を貸さず、もう終わったことかのような静かな顔をしていた。
そして1952年製のノンシリアルのゴールドトップ・レスポールにはリフィニッシュが施され、ピックアップはPAFに交換された。

テールピースもバーブリッジからチューンオーマチックに交換されスタッドが打ち込まれる。常識なら絶対に考えない改造が施されたのだ。

彼は満足そうに仕上がったブラックのレスポールを弾いている自分を、目の前に映る鏡の中に観る。
そこには満面の笑みを浮かべ、無限の可能性にまだ気付く事が無い無垢なギター少年の姿があった。

※Gibson ‘52 Les Paul Conversion w/P.A.F.商品ページはこちら

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